Master Grafika: The Satoru Itazu Workshop

まえがき
1984〜5年、米国ニューメキシコ州アルバカーキーにあるタマリンド・インスティチュートで板津氏と一緒にリトグラフを学んだ。このタマリンドという工房では毎年、世界中から数人の学生を受け入れ、リトグラフ制作のコラボレーション技術を教える。 タマリンドで学んだ多くの人々はそれぞれ工房プリンター、美術館関係/美術教育の仕事、またはアーティストのいずれかに進む。板津氏は東京にてイタヅ・リトグラフ版画工房を設立した。
工房設立の1986年よりコラボレーションを重要視するプリンターとして活動を続け、日本人アーティストのみならずオーストラリアのアーティストともリトグラフ制作を続けている。私自身、過去6年間に4度彼の工房を訪れたが、行く度ごとに洗練された作家たちと彼の共同制作の成果としてのすばらしいリトグラフを見ることができた。
2006年はオーストラリアと日本の国際交流30周年記念として、グリフィス大学クイーンズランド・カレッジ・オブ・アートは、この1年を通して日本の教育機関または個人とのさまざまな交流を企画しています。東京芸術大学と当校の大学院生による交換企画展示とともに、この「板津リトグラフ工房展」は、オーストラリア・日本の国際交流企画展のなかで重要なものとなるであろう。
この展示では、両国の作家たちと板津氏のコラボレーションを通して、リトグラフという一版画技法が、いかに幅広い表現を可能にしているかを提示し、さらに作家たちを技術的な立場からサポートするというリトグラフ・コラボレーションの伝統をも見ることができるであろう。当校内にあるデル・ギャラリーに於いて彼のコレクションを企画展示できることは、誠に光栄である。
グリフィス大学クイーンズランド・カレッジ・オブ・アートを代表して当校にて、このような両国文化交流に貢献する企画展示が実現できたこと、また板津氏を当校のアーティスト・イン・レジデンスに招き、学生とのワークショップなどを実現できたことを心から光栄に思います。デル・ギャラリーのサイモン・ライト氏とグリフィス・アートワークスのスタッフ皆様にこの展示に尽力していただいたことに感謝いたします。また、カタログに寄稿していただいたアン・キルカーさん、最後に助成金を拠出していただいた国際交流基金とグリフィス大学クイーンズランド・カレッジ・オブ・アートにもこころからお礼を述べる。
ラッセル・クレイグ (グリフィス大学クイーンズランド・カレッジ・オブ・アート、美術学部教授)
3. 10. 06