新作リトグラフ
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小林 孝亘
"Portrait"
"5年ぶりの版画"
『今回のリトグラフは、この作品を含めて5点のポートレイトを作る予定の最初の一枚で、僕にとっては5年ぶりの版画制作でした。版画を作るときは、油絵ともドーローイングとも違った表現が出来ないものかといつも思います。しかしこれまでの作品ではどうしても版画インクと油絵具の質感とを比較してしまい、油絵に近い表現になるようにしていたと思います。逆に今回は油絵の質感に近くならないように意識したせいか、ドローイングの要素に近くなったのではないかと思います。髪の毛は何度か試刷りを繰り返しましたが、主版に描いた髪のイメージとそこから透けて見える紙の色、それに重ねた色版が折り重なって髪の質感と軽やかさにつながったところは、少し版画でなければ出来ない要素を見出せたかなと思っています。残りの4点は年末から来年にかけて作る予定ですが、そういった要素をもう少し明確にして、ドローイングのほうにも寄らない、リトグラフならではのものが出来ればと思っています。」 小 林 孝 亘 20070602
紙の左右に紙の耳有り。限定部数30部。版元:西村画廊

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| タイトル | "Portrait-white shirt" |
| 紙 | ARCHES |
| サイズ | 紙:500x660mm イメージ:495x410mm |
| 版・色 | 6 版 / 6 色 |
| 限定部数 | 30部(+1bat,5ap,3pp,2tp) |
| 制作年 | 2007-8 |
| シート価格 | ¥150,000(税別) |
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大槻あかね、末永史尚、配島伸彦、原游、松本三和
"Hills & Villages"
"イタヅさんとこでのリトグラフ制作時のメモ"
モティーフは印刷物。手元にあった古い雑誌から手当たり次第に図版部分をスキャンして拡大。とりたててなんにもない部分で、トリミングするとやや間の抜けた印象のところをピックアップ。とりあえず一枚描いたところでその絵のバックグラウンドに同じ素材で重ねる事を思いつく。
2版重ねたけど両方とも同じ写真。ほぼ同じ部分を角度を変えてもう一版描いていた。
ほんとうは一版描き、刷ったところで次の版、と進めたいところだが、今回イタヅさんとの共同作業で限られた時間とタイミングの中で決定しなくちゃいけないので2版の関係は頭の中で想像して色も想定する。あらゆる意味で主役のいない絵。層の上下関係が不分明で目が泳ぐ状態。バックグラウンドは上の層よりやや明度低め、上の層は白が多く、下の層と重なった部分の色で一色増えて見えるように。
そんなことを考えながら一版目はうす緑、顔料で考えるとビリジアン+白。ただ上の層との関係で決めるたいのに上の層の色は脳内にしかないので色味決まれど明度を決めるのも想像力次第になるので決めかねる。結局アルシュとBFK、紙を変えて濃い/薄いで4枚刷ってあとに備えるかたちに。
上はなんとなく補色をずらした調子でうすいピンクと思っていたけど下の色が刷れたところで薄々の桜色が良いと思ったので工房にあった刷り色の記録から肌色をみつけてそれを参考に色を作ってもらい。ここでめちゃくちゃ時間使う。で濃い色のアルシュのほうに刷り。刷り上がって、見つけてしまった肌色に引きずられて桃色のイメージから離れてしまったことにも気付く。また長考。思い切ってピンクの方に振り戻すことに。でまずBFKの薄色、次にアルシュの濃色。計3枚出来。ここで並べてみると今度は最初の肌色のも悪くなく見えてくる不思議。印象が弱いと思っていたけど乾いてくると強くなった。また長考。
ここで試し刷り最後の一枚を肌色に戻しても面白みがない、とイタヅさんなので思い切って過去を振り切って変える方向で。思いつきの「ほとんど白に近い灰色」を薄色、アルシュに。
4パターン出来。一枚を決めなきゃなのだけどひた悩む。一長一短。額の上に置いたり並べ替えたりを繰り返すけどふるいにかけて落とすことも出来ん。悩み30分以上。最後はアルシュの二枚の間で悩み。濃緑に薄肌色と薄緑にほぼ白の灰色。で、結局は最後の薄肌色と薄緑にほぼ白の灰色onアルシュ。「時間をかけて作った色の組み合わせを見せる絵」であることよりも、間の抜け具合と見ている人がイメージを補う余地を優先したつもり。押し付けがましくしないこと。ただたっぷり白を使った組み合わせなのでちょっと弱いかという気はいまもしている。
今回の版画集タイトルは「Hills & Villages」
この版画集はまず前提として東京造形大学の美術史と現代美術の教授の岡村多佳夫先生が神楽坂のアユミギャラリーで年2回岡村多佳夫企画として展覧会を企画していて。いたづさんが岡村先生に声をかけられて造形大大学院のゲスト講師として9月に講義をすることになり。お話の素材として岡村企画の展示経験者から5人の版画を制作し、作品集にすることにした、という経緯のもの。
そしてタイトルの意味は"オカムラ"ですよ。
末永史尚 氏 blog 2007/08/28 より
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| 原游 | 松本三和 |
| タイトル | "Hills & Villages" |
| 紙 | EXEL / ARCHES / BFK |
| サイズ | 紙: 380x285mm イメージ:380x285mm |
| 版・色 | 1 版/1 色~ 4 版/4 色 |
| 限定部数 | 20 部(+1bat,3tp) 作家によるサイン・限定番号あり |
| 制作年 | 2007 |
| シート価格 | セット¥100,000(税別) 各¥20,000(税別) |
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宮島 葉一
"untitled"(pig#2)
'01年に宮嶋さんと"untitled"(豚)を制作しました。そしてもう一作品"豚"をモチーフにしたリトグラフの制作をお願いしていたところ、今回はその続編となる豚の後姿絵。前作と比べ豚を描いているということははっきりと分りませんが、なんとなくそういわれると豚に見えてきます。最近の宮嶋さんの油絵では線が太くなり、白地に見える部分にはとても淡い色が施してあります。このリトグラフも同様に黒の太い線をアルミ版上にアクリル絵具を筆で描いていただき、豚の体、豚以外の空間をそれぞれベタ版を作ることになりました。豚の体には薄いピンク、空白を真白、線を青を加えた黒で刷る。3版全てベタ版なので調子は全く無いが、宮嶋さんの筆の動きが豚の輪郭に現れていてとても味わいある作品となる。サインと限定番号は目立たぬよう黒の線上に記入。紙全体にイメージを刷ってあり余白はありません。紙の左右に紙の耳有り。限定部数23部。

| タイトル | "(untitled)" |
| 紙 | BFK |
| サイズ (紙/イメージ) | 500x660mm |
| 版・色 | 3 版 / 3 色 |
| 限定部数 | 23 部 (+1bat,1ap,1pp,3tp) |
| 制作年 | 2005 |
| シート価格 | ¥50,000 |
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Hans BENDA
"untitled"(wana)
Hansさんとは4点目となるリトグラフ。最初は "Die Quelle im Wald"、二点目は "Die Nasenbluten der Gartenerin"、三点目は "Eisbar"、そして今回は"鏡前の刺青女性"。何を描いてくるのかと思いを巡らし、描いたアルミ版を持って彼が工房を訪れるのが楽しみになってきている。彼の作品は小さなサイズのパネル+油絵が多く、どことなく懐かしい古典的な洋画を思い出させるところがある。やはりドイツ人だからであろう。リトグラフではおもいっきりドローイングの手法で版描きをしている。色鉛筆でアルミ版に描画。腕の刺青文字「罠」はO Junさんが描き二人の共同作となる。1版を焦茶インクで刷る。ハンスさんとO Junさん両氏のサイン有り。ハンスさんのHPも御覧ください。限定部数25部。
| アーティスト | "Hans Benda + O Jun" |
| タイトル | "(untitled)" |
| 紙 | EXEL |
| サイズ | 紙:220x380mm イメージ:170x280mm |
| 版・色 | 1 版 / 1 色 |
| 限定部数 | 25 部 (+1bat,1tp) 作家本人によるサイン・限定番号あり |
| 制作年 | 2005 |
| シート価格 | ¥25,000 |
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橋爪 彩
"Corsage"
「普段、油彩では、未熟でも成熟でもない、ある一定年齢の女性の持つ大胆で繊細な様子に興味を持って作品を作っています。
絵画的空間を意識した作品を制作している油彩に対し、版画ではもっとモチーフや状況にアイコン性の高い、単純に図柄として魅力のもったものを意識しています。
何度も失敗でき、絵の具を乗せた後も絵を動かすことが可能な油彩と違って、版画は自分の動きすべてが包みなく露呈してしまう。難しい作業だけど、それだけ緊張感のある画面になると思います。図柄のたち現れ方が全く違うところが、作業していてとても面白い。
版画と油彩では、同じ平面を制作しているという共通点があるので、普段と同じテーマで制作に向かっていますが、エスキースの段階でかなり構図や色、描き込みまで考えてから始める油彩以上に、版画では更に詳細を決めてから始めなければいけないことが異なります。刷る作業は完全に工房の方に任せ、私は版下制作しかしないため、製作中に思考が運動性を持ちバウンドして他の方向へ向かおうとしてもアドリブが効きません。修正が効かないところが一番の相違点です。
私にとってエディション作品とは、普段の1点しか制作できないタブロー作品とは全く違う意味を持ったものです。しかし版画にするために考えた画像は、普段油絵を描こうとして構想している時にはなかなか出てこない面白いイメージが出てくることが多いので、その後の自分の制作にもフィードバックできる重要な表現媒体だと思っています。」 橋爪 彩 記 "版画のめばえ" 版画芸術(阿部出版)#131 2006 より
2005年の "Socks" に続く2点目のリトグラフ。前回のリトグラフ制作から橋爪さんの作品展示を見る機会が数回あり改めて気づいたのが油彩の表面に塗って仕上げられたワニスの層。彼女の描くエナメルのハイヒールの光沢がとても艶やかに見える。リトグラフを刷る時に過度にインクの層を重ねると紙の繊維に収まりきれなくなったインクが表面で乾き光を反射することがあるのでこれを避けるため版数を最小限に努める。今回、実験的にハイヒールのイメージには敢えて多めのインクを重ね、ハイヒールのエナメルの光沢感に近づけるかを試してみた。限定部数25部。

| タイトル | "コサージュ" |
| 紙 | BFK |
| サイズ | 紙:380x475mm イメージ:280x380mm |
| 版・色 | 6 版 / 7 色 |
| 限定部数 | 25 部 (+1bat,2ap,1pp,6tp) 作家本人によるサイン・限定番号あり |
| 制作年 | 2005 |
| シート価格 | ¥35,000 |
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工藤 春香
"歩いて50分"
私はアパートを借りるために電車に乗っていると「風知街」という駅に着いてしまいました。そこは、どんよりと暗く、道路は舗装されず石がごろごろと転がっていて、商店街には小さな八百屋と石焼き芋屋の車があるだけの、寂れた街でした。不動産屋を探そうと、石焼き芋屋のオヤジに声をかけました。
「すいませんが、不動産屋はどこにあるか知っていますか。」
オヤジは近くの道を指差して
「この道を真っ直ぐ行くと、右手に警官が立っている。その隣に不動産屋があるよ。」
「そこには何分くらいかかりますか。」
「そうだねえ。歩いて50分くらいかな。」
気がつくとオヤジは私の胸に顔を近づけて乳首を舐めようとしています。私は驚いてオヤジを突き飛ばし、風知街の駅まで走りました。この絵はその街の風景です。
前作"植物園での出来事"に続く三つ編みおさげの続編。最近あまり使うことがなくなった「溶き墨」(リトグラフ用油性インクなのに水に溶いて使う)を使って描いてもらう。青色3色を重ね彼女の考えていたイメージに近づけた。余白なしの作品。限定部数10部。
| タイトル | "歩いて50分" |
| 紙 | BFK |
| サイズ (紙/イメージ) | 250x660mm |
| 版・色 | 3 版 / 3 色 |
| 限定部数 | 10 部 (+1bat,1ap,1pp,2tp) 作家本人によるサイン・限定番号あり |
| 制作年 | 2005 |
| シート価格 | ¥20,000 |
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工藤 春香
"植物園での出来事"
植物園で変な生き物を見ました。それは大きくて植物のようでもあり動物のようでもありました。それを眺めていると、中学生の時に感じたもどかしくてイライラした、でも少しいやらしい気持ちになったりします。帰りのバスに乗って窓の外を見ていると、木立の間からその生き物がチラチラ見えてどこまでも追いかけてくるので、少し困りました。これは、その生き物の絵です。
ある作家との打ち合わせに一緒に来たのが工藤さん。打ち合わせをしている間に彼女がアルミ版に初めて描いた作品です。ちょうど青山の画廊にて個展の最中で、その展示作品にも三つ編みのおさげを描いているという。石のようなものに三つ編みがくっついている、、不思議な組み合わせ、、限定部数10部。
| タイトル | "植物園での出来事" |
| 紙 | EXEL |
| サイズ 紙/イメージ | 紙:380x280mm |
| 版・色 | 1 版 / 1 色 |
| 限定部数 | 10 部 (+1bat) 作家本人によるサイン・限定番号あり |
| 制作年 | 2005 |
| シート価格 | ¥10,000 |
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O Jun
リトグラフ 6点セット "東西南北の此"
「O JUN は1956年東京に生まれ、東京芸術大学で油絵を専攻し、その後バルセロナとデュッセルドルフに滞在。パフォーマンスや写真作品などを発表してきましたが、近年では、紙に身の回りのごくありふれたものをシンプルに描く作品で高い評価を得ています。彼の作品は1998年に水戸芸術館美術センターで開催された『性的人々』などで一躍注目を集めるようになり、2002年には大阪の国立国際美術館で大々的な近作展が開催され大きな話題となるなど、その活躍は益々広がりを見せています。
O JUN の絵画はシンプルでありながらもどこかしら不穏さを感じさせる不思議な作品です。人物や家、衣類など身近な題材が独自の視点で切り取られ、白い紙にクレヨン、グワッシュ、鉛筆、あるいはリトグラフで描かれています。無機質な線、単色でフラットに塗り込まれた色面は感情を排しているかのようで、見る者に少なからず距離感を抱かせます。しかし一方で、単純明快に描かれた形態の端々には、有機的でユーモラスな表情が伺え、見る者の想像力を刺激します。綿密に計算された余白と世界の一部を暗示するような謎めいたイメージが拮抗する画面構成は、音が消えたような独特の世界を醸し出しています。」 O JUN official HPより
O Junさんとは10年ほど前に"撃墜王"の版画集を作った。数年前から新版画集の制作の構想話し合っていたところ、突然電話があり、「先週UFOを見たんです!これでいきましょう。板津さん!」と、決まる。最近は手慣れてきたようで、色版の見当もすべてぴったりと合わせて版に絵を描いてくれる。限定部数10セット。


| タイトル | "東西南北の此" |
| 紙 | BFK |
| サイズ (紙/イメージ) | 900x630mm |
| 版・色 | 3版/3色、4版/4色 |
| 限定部数 | 10 部 (+bat-1set,ap-1set,5tp) |
| 制作年 | 2005 |
| 価格 | ¥600,000(セット), ¥120,000(各) |
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