(読み込みにちょっと時間かかるかもしれませんがご勘弁)


[H-IIAロケット試験機二号機 強引見学記]

2002年2月2日〜6日



かねてから1度見てみたくてハァハァ言っていたロケット打ち上げを目の当たりにするため、2002年2月2日から6日にかけて種子島宇宙センター方面に行ってまいりました。
金銭面にも時間にも余裕のある旅ではなかったので駆け足で過ごしがちでしたが、充実した数日間になりました。まさか種子島で久しぶりの友達と待ち合わせることになるとは思いもよらず。そしてまた行きたい鹿児島、宮崎。あと旅先での一期一会とかも思い出深く。でもって、なにより運良く滞在中にロケット打ち上げの瞬間に立ち会うことができました。悦。
種子島への交通手段、島内での宿泊なども併せて記しておきますので、まさかの時(?)の参考になればいいなーとかなんとか思っております。ある意味情報が偏ってはいますがそこはそれ。いきあたりばったりの旅でした。でも一生忘れられない5日間。


1)発端 〜ある日気付く〜
 テレビなんかでしか見たことがなかった日本のロケット打ち上げが、実は見学自由だって知ったのは最近のことでした。そういやスペースシャトルなんかは飛ぶときに見学者がいっぱいいたけども、あれはあれでやっぱり遠い国のことで、ロケットの打ち上げなんてのは現実から遠いところにあると無意識に思ってました。
 去年の8月29日、H-IIA試験機1号機打ち上げ。NASDA(宇宙開発事業団)のホームページをうらやましげに眺めていました。その時初めてロケット見学場所についての記述があるのに気付き、頬を豚肉でひっぱたかれたような衝撃を受けました。なんかひとりで「そうだよね、そうやんね」とか呆然と呟いてた記憶があります。まあ所詮はエセSFファンです。この手のことの具体的な知識は無いに等しく。
 とにかく、次の打ち上げは見に行ってみよう、と思いました。そんで、今回見に行ってみました。って、そのまんまだ。思いつきのままに行動してませんか。でもいいんです。そもそも自分はそういう人間なんだと再確認しに行ったのかもしれません。社会的にはヤバです。
 あー、こういうはみ出し生活が堂々とできる職に早く就かなきゃなあ。
 すいません、話がそれました。


2)出立 〜とりあえずたどり着いてみる〜

そういえば羽田空港から飛行機乗ったの初めてでした。
 で、気付いたら2月2日の早朝、羽田空港で機上にいる自分に気付いたわけでした。こういう旅らしい旅も久しぶりです。

 てなわけで、まずは羽田から鹿児島へ。2時間弱で到着。普段の通勤時間とそう変わりません。この2時間は満員電車に詰まってたりする毎日の2時間と等価値なのか、微妙な理不尽さを感じつつ降りた鹿児島空港は雨でした。明日の打ち上げ大丈夫ですか。ちょっと不安。
 それにしても、飛行機ですらそのスピードと到達高度には未だに驚かされるのに、ロケットはこれ以上なんですよね。もはや、というか最初っからだけども予想の範囲外です。正直言うとこの時点ではロケット打ち上げって目にして凄いものなのか、まだ完全に期待できずにいました。

 空港から鹿児島市内へは直通のバスで約1時間。午前11時には市内の天文館の辺りについてウロウロしていました。たまたま見かけた我流風(ガルフ)らーめんというラーメン屋で昼食。なんでガルフか、という素朴な疑問を覚えつつ、ごちそうさまでした。あ、今思うと海が近かったから? まあいいか。
 12時50分に種子島へ渡る船「トッピー」に乗る予定だったので、ちょっと早めに港へ向かいました。「晴れてればあの辺に桜島が見えるんだけどもね〜」とタクシーの運ちゃんが指差す方向は分厚い雲。残念。桜島も見たかった。帰りに期待です。


トッピー。時速45ノット(80km)で海上を走ります。ちなみに「トッピー」は地元の言葉でトビウオのこと。僕は「ホッピー」を思い出しましたがそんなんどうでもよくて。
 船は定刻どおりに出港。満員の船内からはロケットの話とか屋久島の話が聞こえてきます。トッピーは種子島、屋久島航路を持ちます。今回は種子島にしか行けなかったけど、いつかは屋久島にも。
 あ、船は全然揺れませんでした。快適。ちなみに鹿児島港から種子島まで片道6000円。往復割もあり。



「宇宙へ夢とロマンを!!」 あと写真が小さくて見えにくいですが「日ポ交流の地」とあります。日葡…。
 そんなこんなで14時半ごろに種子島、西之表港に到着。東京から半日で着いちゃうもんなのね…とちょっと放心状態で島に足を踏み入れてみると、視界に飛び込んできましたよ。ロケット。
 わあ! なんかソレっぽい。ちなみに島にいる間、この手のロケット形状のオブジェを多数目撃することになりました。

 到着してしばらく辺りをうろついていると、道路の交差点では必ず車が止まってくれて先に道を渡らせてくれることになんとなく感動。あー、このペースいいなあー。とか、あれか、こんなん旅行者の視点ですか。

 さて、僕は西之表港で友達と待ち合わせをしていました。鹿児島在住のmobiusさん(以下もびさん)とlongpieceさん(以下ロンピーさん)も急遽打ち上げを見に行くことになり、島で合流しようってことになったわけです。二人とも久しぶりに会うのに、まさか種子島でとは。わからないもんです。
 でも今思うと、この旅で2人と一緒に行動してなかったら、あんなに素晴らしい打ち上げの瞬間は見られなかったはずです。ほんと、わからないもんです。

 2人とは16時半ごろ無事に合流。お互い登場時のネタ(?)を考えてたんですが、なんとなく発見しあってしまいました。いや、おひさしぶり。そういやロンピーさんとは前に1度会ったきりでしたっけか。
 で、この時点では3人とも宿もなんにも決めてなくて、着けばどうにかなる、とか野宿でもいいか、とか考えてたんですが、結構な雨だし…。事前に「発射前はどこも宿いっぱいだよ」という話を聞いてたんでどうにもならんかなーと思ったんですが、港の観光案内所のおばちゃんに聞いてみました。
 宿、見つかりました(どうにかなった!)。島の南部、上中地区の民宿です。そこからなら宇宙センター方面にも遠くありません。親切に探してくれたおばさん、ありがとうございました(これが夏なら、海に来る観光客で本当にいっぱいだったかと)。
 17時過ぎの最終バスに乗り、一路南へ。種子島は南北に長い島です(地図)。1時間半近く揺られていたでしょうか。というか文字通りすごい揺れだったんですが。去年大雨で道が何箇所かで崩れたそうで、補修作業が行われていました。

 過ぎた停留所も40を越えた頃、車内には僕ら3人と、同じくロケットを見に来たおじさん1人だけ。こうなると元々バス停なんか関係ない島内路線バス、民宿の目の前で降ろしてもらえました。ちなみに路線バスで1400円払ったのは生まれて初めて。
 民宿の女将さんが出迎えてくれ、素泊まりだったはずなのにめちゃめちゃ旨い魚のアラ煮と焼きソバを食べさせてくれました。これが本当に美味しかった。ごちそうさまでした。
 そういえばこの女将さん、もびさんの高校の時の同級生にそっくりだったそうで、もびさんはドキドキしていたようです。惚れたな。(憶測)

 そんなこんなでとりあえず男3人、宿に落ち着きました。色々くだらない話とかしつつも、やっぱり明日の打ち上げが気になります。天気予報は一応晴れとのことだったけど、「強風が予想されるため、21時30分の時点で明日打ち上げ可能かどうか判断します」とのNASDA発表のニュース。いくら晴れてても風が強ければロケットは飛びません。H-IIAの場合は地上の風速が15mを超えるとダメ。

 ドキドキしながらNASDAの決断を待つと、不安的中というかマーフィーのなんたらというか、打ち上げ再延期(元々1月31日の打ち上げが2月3日に延びていたのです)。やはり風のせい。2月3日から1日延期され、4日の打ち上げ予定となりました。僕らも延泊決定。明日は適当に島巡りでもしてみますか、ってことに。
 もうこうなると夜通しバカ話で盛り上がったり。ソユーズロケットの無茶っぽさ(いい意味で)とか、ソレっぽい話で笑いあったり。あ、ロンピーさんのハンドルネーム(longpiece)って、そうか、神林だったのか! 著述支援のか!(理解人理解ネタ。すいません) とまあ、そんな感じで種子島到着1日目の夜は更けていったのでした。

 でも思えば、この1日延期がなければ宇宙センターも見学できなかっただろうし、やっぱりあの打ち上げ瞬間には立ち会えなかったはず。
 予定をたててなかったからこその柔軟性が奇蹟を生むのね…。って、そもそもロケットの打ち上げ見学なんて、かっちり予定組んでたら見逃しそうか。休みを長めに取れないと辛そうです。



3)回遊 〜延びたからこそ〜

宇宙ヶ丘公園より。山向こうに宇宙センターが見えます。見えにくいけど写真中央には発射台が。
 明けて2月3日、晴れ。やっぱり風は強め。朝食後、宿の車で宇宙ヶ丘公園まで送ってもらい、初めて直にロケット発射場を目にしました。ようやく実感が。明日は天気もよさげだし風も弱そうだし。きっと飛ぶっしょ。ちなみに宿の車を運転してたのは当然、美人の女将さんです。関係ないですか? いえ、重要な要素だ。

宇宙ヶ丘公園。
 この日は人もまばら。発射時はここにも人がかなり集まるそうですが、結局宇宙ヶ丘から打ち上げを見ることがなかったのでどのぐらいの混み具合かはわかりませんでした。

 この時、まだ打ち上げをどこで見るか決めかねてました。宇宙ヶ丘公園の他に有名な見学場所としては長谷展望公園、前之峰グラウンドがあったんですが、おそらく打ち上げが延びていなかったら昨日のバスの運転手さんに聞いた長谷展望公園にしていたかもしれません。


宇宙ヶ丘公園。円錐の指す方が発射台です。
 確かに宇宙ヶ丘からだと山に隠れて、ロケット離床の瞬間が見えなさそうです。だけど空は開けてるんで、飛んでいくロケットを追いかけるには絶好の場所かと。だからこそ宇宙ヶ丘なんて名前なんだろうし。

 しばらく宇宙ヶ丘公園で過ごした後、公園内の郷土資料館(ひなびた感じ)でタクシーを呼んでもらうことに。
 島内を巡るにはバスだけではやはり不便。車やバイクを持ってる人ならフェリーで島に渡るか、もしくは打ち上げ時期にはほぼ報道に押さえられちゃうけどレンタカー、レンタバイクを借りるか。レンタサイクルもあったんですが今回は移動時間との兼ね合いも合ってパス。何人かで行動してるなら、タクシーも割り勘でいけばいいのでそれほど痛い出費にならないかと。
 あとはとりあえず観光案内所とかで島の地図をもらっておけばOK。

 で、宇宙ヶ丘から宇宙センターまでタクシーに乗って15分ぐらいだったか。道中、運転手さんに「打ち上げがよく見える場所ありませんか」と聞いてみたところ、「穴場があるよ」とのこと。これがほんとにラッキーでした。まあ聞かれれば同じように答えるのかも知れませんが(ごめんなさい)、さすが島内を巡るタクシーの運転手さん。翌日実感したけど、確かに絶好の見学ポイントでした。詳しい場所はアレです、ひみつ。ウフー。(子供か)
 打ち上げ当日は発射台より半径3km以内は立ち入り禁止区域となるため、どうしてもロケットを見ることのできる場所は限られてきます。プレス関係の人は竹崎観望台という発射台真正面のロケーションから望めるんですが、ウチらはそうはいきません。
(いずれはそこから見られるようになりたいもんだ、と3人で頷きあったものです)

 運転手さんに翌朝そのおすすめポイントまで連れて行ってもらえることになり、宇宙センター展示館(宇宙科学技術館)の雰囲気もあってか、なんか一気に自分の中で盛り上がってきました。再々延期さえなければ、生で打ち上げが見られるんですよ! 生生! それがどんなものなのかは実際に体感しないとわかりませんが、とにかくその機会に恵まれるかもしれないと。わあ。

 にしても、もし自分1人での旅だったらタクシーはほとんど使わなかったはずで、おそらくその場所については知らないままで終わってたかもしれません。もびさん、ロンピーさんに感謝。

 では以下、宇宙センター内の風景を写真でどうぞ。

宇宙センターの玄関口。1/1スケールのN-I ロケット。でかっ。


宇宙センター。1/1スケールのH-II ロケット。でかっ。


宇宙センター宇宙科学技術館。LE-7エンジン。部品1つ1つに銘版が! H-IIAロケットではこの改良型のLE-7Aが使用されます。


発射台。海岸から。


発射台遠景。


竹崎観望台。一度はここから見てみたい。いいなあ。


宇宙センター。ロケット状物体。ちょっと微妙。

 この日はこんな感じでドキドキしながらも1日まったりと過ごしました。夜になっても、また延期するかも、という報道はありません。
 22時ごろだったか、同じ民宿に泊まっていた報道関係の人が車で出かけていきました。H-IIAロケットが発射台に移動を開始したのを取材しに行ったみたいです。今思えば、無理を承知で「連れてって!」と頼み込んでみればよかった。いやムリだろうけども。
 この日は皆、早めの就寝。大丈夫、なんか明日は打ちあがりそうな気がします。

 あと、この日撮ったその他写真。

朝、宿の近所の自販機で買ったヨーグルッペ。ヤクルトに牛乳混ぜた感じ。


NASDAカー。


ギバレ! いえ実際、街中では「ロケット反対」みたいな張り紙でもあるかな、とかちょっと思ってたんですがついに見かけませんでした。
あ〜、なんか、なるほど。



緑と青の豊かな、美しい島でした。よくよく考えてみればこの島にロケット発射場があるのはすごいことです。でも違和感なかったです。この風景に溶け込んでる最先端の発射場。




4)轟天 〜ロケット?〜

朝もやの発射台。すでにロケットもスタンバってます。
 2月4日、朝。女将さんに礼をいい、宿を後に。というか宿帳とか何にも書いてないんですがよかったですか。大らかというかなんというか。…本気でいいなあ、このペース。
 朝8時、約束どおり運転手さんに連れて来てもらった場所は、真正面に打ち上げ台を望める幸せ場所。ロケットの足元までしっかり見えます。今回はデジカメしか持ってこられませんでしたが、もっといいカメラがあればなーとつくづく思ったものでした。300mmぐらいの望遠も。

 …なんというか、眼前3kmに宇宙ロケットがあります。あれが数時間後に宇宙へ飛び立っていくのか。不思議な現実です。だけど望んで得た現実です。ここに来て、自分の目で見たかったから来ました。ほんと、それだけのことかもしれないけど、ただそれだけのことのためにも、やっぱりいろんな人との係わり合いの結果で今ここにいるんだなーと、遠い目をしながらぼんやり考えていました。
 なんかやっぱり、たまに普段と違う環境に立つと、いつもの当り前のことを客観視できてよさげかもしれません。


午前9時46分。
 そんなん真面目なことも思ってたりしましたが、時間がたつにつれ、だんだん落ち着きをなくしてきやがる自分。平静を装いつつ辺りをうろついてみると、見学場所の近くの民家のおばさんが普通にゴミ出ししてました。あっそうか。これも日常。

 打ち上げが当初の11時28分から少し延び、11時45分に。が、いまさらそれぐらい関係なし(後で聞いた話ですが、立ち入り禁止海域に不審船がいて、どけてたんで時間食ったそうな。たぶん地元の漁師さん?)。


午前10時17分。打ち上げまであと1時間半。(青春:もびさん)
 僕らのいた場所には、他にも何人かの人が見に来てました。NASDAの方々、地元の人、ブースターの燃料を造った技術者のおじさん、遠くから打ち上げを見に来てた人。
 なかでも、結局名前も何にも聞かなかったけど、名古屋から来てたお兄さんは、僕らと同じタクシーの運転手さんに連れられてその場所に現れました(ちなみに運転手さんは新聞のカメラマンを連れて来るため、もう1往復するそうで)。
 このお兄さんは前に「皆既日食とオーロラとロケットの打ち上げは見とけ」と人から言われたそうで、実際に去年ザンビアまで皆既日食を見に行ったそうです。地平線360度全部が夕焼けになる、という話を聞いて背筋がゾクっとしたもんでした。
 それにしてもすごいな…。あとはオーロラを見れば3点セット制覇ですか。3点の中でロケットだけが人工物だけど(ってロンピーさんも日記で同じこと書いてました!)、突き詰めてけば一緒なのかも。
 あと関係ないけどもこのお兄さん、ちょっとスガシカオに似てると思いました。


NASDAの方が携帯でカウントダウンを読み上げて下さいました。「120!」で、心臓バクバク。
 風もなく、朝に空を覆っていた雲も晴れました。日差しも暑いぐらいです。ロンピーさんに買ってもらった(感謝)NASDAキャップをかぶってさらに雰囲気にひたってたり。
 ――打ち上げまであとわずか。発射台のH-IIAロケットの回りには、何か白いもやのようなものが見え始めます。これが「発射台注水開始!」なのか何なのかわかりませんでしたが(興奮しててうっかり聞き忘れ。せっかくNASDAの職員さんいたのに…)、ついに、という感じはひしひしと伝わってきました。
 今でもはっきり覚えています。突然「240」という声が聞こえて何かと思っていると、「230…220」と続けて。あー! カウントダウンか! 見学場所まではさすがに発射台のカウントダウンアナウンスが聞こえないので、NASDAの方が携帯で読み上げていたのでした。
 240秒っていうと4分間。この4分はほんとに短く感じました。さらにカウント120あたりから急に心臓が勝手にドキドキし始めて、時間の進み具合も一層加速。ウワ、まさかこんなに興奮しちゃうとは。ちらっと横を見ると、もびさんとロンピーさんも同じ心境だったに違いありません。おそらくここにいる全員も。最後の10カウント、ほんとに1秒ぐらいに感じました。

 そしてカウント0。歓声があがりました。

2002年2月4日 午前11時45分。メインエンジン点火。


離床。

 上がった。浮いてる。飛んでる。頭がぼーっとして、ファインダーも覗かずに写真撮ってました。ロケットが地面を離れて数秒後、音がやってきました。音? というかなんだかよくわかりません。ただほんとに大気の振動。これが音なんか? あの飛んでるものから出てる音なのか。混乱する頭でしたが、物凄い勢いで登っていくロケットを見ながら不意に、轟音の中にあって辺りが異様に静かなことに気付きました。音という音はその振動というか鳴動に全てかき消されてたように思えます。


光。
 見ていた場所からだと、ロケットはちょうど太陽の方へ上がっていく構図になりました。打ち上げ前には「逆光で見えなくなるんじゃないか」とか思ってたんですが、完全に杞憂でした。

 ものの10秒足らずで、わけわからんほど高いところへ到達しているロケット。とっくに脳みそオーバーフローです。だめだ、ほんとわけわからん。飛行機はどうやって飛ぶのか謎ですが、このロケットってやつはそもそも何やってるのかが謎です。神だ。ありゃあ神だ。

 思わず「なんだありゃ」と口にした覚えがあります。いや、何ってロケット見に来てんだから。脳のエラーが口から出るとはこのことか。


打ち上げ30秒後(後でファイルのタイムスタンプで確認)。影が…!
 ロケットの煙が太陽を横切った時、空が2つに割れました。すげえ。すげえよアンタ…。
 写真に残しておこうと立ち上がると、膝が笑ってました。うわ、震えが。今思い出しても震えが。


同60秒後の発射台遠景。
 単純に綺麗だと感じました。



遠!
 あっという間でした。ロケットが点になって見えなくなるまで2分もかからなかったはず。小笠原諸島上空に差し掛かるまでは見えていたそうです。
 小笠原って、アンタ…。


打ち上げ雲。
 水素+酸素=水。
 ロケットエンジンの動作原理は単純な化学反応(あくまで、原理は)。ある意味まんま自然の力を利用して飛んでるわけで。

 ロケットは飛んでいってしまいました。
 テレビなどで見られる打ち上げ中継みたく、あんなに寄った絵は見られるもんではなかったですが、そんなんとっくに問題じゃありませんでした。
 この打ち上げを見て人生変わるかとかそういうアレではないかもしれないけど、いやおそらくもっと小さい頃にこれを生で見てたら変わるに違いなかっただろうけど、本当に見られてよかった。ものすごい現実でした。打ち上げ隊の方々、H-IIAに関わった皆様、本当にお疲れ様でした。
 もっといろんなものを見ていくべきだと強く感じました。普段の生活でも。
 とりあえず、まずはオーロラと皆既日食ですか。ハッハ。
 あと、1度は宇宙に。はい。


5)後夜 〜あいさつを かわすこころは 100ワット〜
 打ち上げ終了後、タクシーで西之表港へ(約10000円)。名古屋のお兄さんも相乗り。宇宙センター展示館に寄って、中種子の空港から大阪までの飛行機で帰るそうです。途中でお別れ。あわただしかったですが。
 打ち上げが本当に成功だったかどうかはこの時点ではまだわかりませんでした。結果的には2つの衛星ミッションのうち片方が失敗、ロケットの打ち上げ自体も完全に成功といえるかどうか微妙になってしまいましたが、宇宙への掛け橋(って言い回しも古いか)という点では大成功だったんではないでしょうか。現地で打ち上げを目撃した一般人としては、そう思えてなりません。

 こんな感じで種子島の日々は終わりました。mobiusさんlongpieceさんお疲れ様でした。ほんとにいろいろお世話になっちゃって。というかまた来ましょう。わはは。
 さて、次はこの旅のもう1つの目的だった鹿児島、宮崎めぐり。後の出来事は箇条書きにて御免。楽しかったっすよ。


はい桜島。現役の活火山の麓に普通に街があるのも凄いと思いました。九州だ…。

○ 種子島にて「加藤君!」事件
○ 種子島発14時20分のトッピーで鹿児島へ。
○ 居酒屋で打ち上げ後の打ち上げ。店員のお姉さんめちゃめちゃ綺麗。
○ おごってもらっちゃったよ!
○ 普通に食べられるものが旨い。
○ がしそふと万歳
○ フルーツバスケット
○ 三平ラーメン
○ あいさつを かわすこころは 100ワット
○ 市電て便利
○ 学生が。学生が。(?)
○ 意外にマニアック都市・鹿児島(失礼)
○ 買物王っぷり健在・mobiusさん。
○ 鹿児島までの電車賃って結構安かったことに気付く。次は夜行か。
○ 5日は宮崎へ。日豊本線で2時間。
○ 宮崎駅でyanさんと唐突この上ない再会。
○ オネアミスBGM。
○ yanさんyamaさんでろさんmileさんと、でろスタジオにて。ぽん次!
○ そういえばでろさんとは初対面でした。そういえば。
○ ブローンソーン
○ チキン南蛮うまっ。
○ yamaさんちでコタツ寝。
○ 九州万歳。
○ 6日朝、宮崎空港から東京へ帰還。
○ 全日程終了。得たもの大。


【追記】

 二号機打ち上げの日から、あっという間に2年以上が過ぎてしまいました。もともと僕は物忘れの激しい人間なんですが、あの日見たものだけは今でも脳に目に全身に焼き付いています。冊子にするために再編集していたら、胸に熱いものがこみ上げてきたり、思わず涙があふれてきたりで、やだ、ちょっともう!見ないでください!

 人間って、三次元の「高さ」の方向を把握できない生き物だと、何かの本で読みました。確かに普段見上げている空にしても、具体的にどれだけの高さまでを見ているのか、見えているのか、漠然としか感じられません。
 そんな「高さ」に真っ向から挑んでいくロケットの軌跡は、普段自分たちが張り付いている地面と、存在はするけれど実感することのできない高みとを繋ぐ、強引に打ち立てられた梯子のように見えました。

 いま思えば、最初は大きな花火でも観にいく感覚だったのかもしれません。打ちあがって、大きな音がして、火を噴いて。
 部外者がお祭り気分で見る打ち上げ。確かに花火みたいなものです。しかしこの花火が本当に開くのは宇宙という遥か高い場所。それこそロケットにでも乗っていかないと辿り着けない遠いところ。
 だけどあのとき僕には花火が見えた気がしました。とびきり綺麗で、大きなやつが……ネ(なにが「ネ」だ)


 てなわけで、ここまでお付き合いいただいてありがとうございました。技術的な側面を全く無視し、主観だけで組み立てた見学記ですが、少しでも雰囲気が伝われば幸いです。


初稿2002年2月13日 追記2004年8月19日 こう1
(写真は全てOLYMPUS C-990ZSで撮影しました)

 【関連リンク】

 ・ NASDA(宇宙開発事業団)ホームページ
   まずは本家。宇宙開発情報満載。

 ・ 小川遊水池
   作家・小川一水さんのサイト。ふぁん。打ち上げ見学についての具体的な情報を得ました。

 ・ WEB種子島
   種子島オフィシャル。

 ・ ようこそ種子島へ
   こちらも種子島オフィシャル。路線バス時刻表などの詳細も。

 ・ 鹿児島商船
   トッピーの詳細はこちら。



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