第七章 遺言

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 第四節 遺言の執行
 
第千四条   【 遺言書の検認、開封 】
第一項 遺言書の保管者は、相続の開始を知つた後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない。遺言書の保管者がない場合において、相続人が遺言書を発見した後も、同様である。
第二項 前項の規定は、公正証書による遺言には、これを適用しない。
第三項 封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会を以てしなければ、これを開封することができない。
 
第千五条   【 前条違反の制裁 】
前条の規定によつて遺言書を提出することを怠り、その検認を経ないで遺言を執行し、又は家庭裁判所外においてその開封をした者は、五万円以下の過料に処せられる。
 
第千六条   【 遺言執行者の指定 】
第一項 遺言者は、遺言で、一人又は数人の遺言執行者を指定し、又はその指定を第三者に委託することができる。
第二項 遺言執行者の指定の委託を受けた者は、遅滞なく、その指定をして、これを相続人に通知しなければならない。
第三項 遺言執行者の指定の委託を受けた者がその委託を辞そうとするときは、遅滞なくその旨を相続人に通知しなければならない。
 
第千七条   【 遺言執行者の就職 】
遺言執行者が就職を承諾したときは、直ちにその任務を行わなければならない。
 
第千八条   【 遺言執行者就職の催告 】
相続人その他の利害関係人は、相当の期間を定め、その期間内に就職を承諾するかどうかを確答すべき旨を遺言執行者に催告することができる。若し、遺言執行者が、その期間内に、相続人に対して確答をしないときは、就職を承諾したものとみなす。
 
第千九条   【 遺言執行者の欠格事由 】
無能力者及び破産者は、遺言執行者となることができない。
 
第千十条   【 遺言執行者の選任 】
遺言執行者が、ないとき、又はなくなつたときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求によつて、これを選任することができる。
 
第千十一条   【 財産目録の調製 】
第一項 遺言執行者は、遅滞なく、相続財産の目録を調製して、これを相続人に交付しなければならない。
第二項 遺言執行者は、相続人の請求があるときは、その立会を以て財産目録を調製し、又は公証人にこれを調製させなければならない。
 
第千十二条   【 遺言執行者の職務権限 】
第一項 遺言執行者は、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する。
第二項 第六百四十四条乃至第六百四十七条及び第六百五十条の規定は、遺言執行者にこれを準用する。
 
第千十三条   【 相続人の処分権喪失 】
遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない。
 
第千十四条   【 特定財産に関する遺言の執行 】
前三条の規定は、遺言が特定財産に関する場合には、その財産についてのみこれを適用する。
 
第千十五条   【 遺言執行者の地位 】
遺言執行者は、これを相続人の代理人とみなす。
 
第千十六条   【 遺言執行者の復任権 】
第一項 遺言執行者は、やむを得ない事由がなければ、第三者にその任務を行わせることができない。但し、遺言者がその遺言に反対の意思を表示したときは、この限りでない。
第二項 遺言執行者が前項但書の規定によつて第三者にその任務を行わせる場合には、相続人に対して、第百五条に定める責任を負う。
 
第千十七条   【 共同遺言執行者 】
第一項 数人の遺言執行者がある場合には、その任務の執行は、過半数でこれを決する。但し、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。
第二項 各遺言執行者は、前項の規定にかかわらず、保存行為をすることができる。
 
第千十八条   【 遺言執行者の報酬 】
第一項 家庭裁判所は、相続財産の状況その他の事情によつて遺言執行者の報酬を定めることができる。但し、遺言者がその遺言に報酬を定めたときは、この限りでない。
第二項 遺言執行者が報酬を受けるべき場合には、第六百四十八条第二項及び第三項の規定を準用する。
 
第千十九条   【 遺言執行者の解任・辞任 】
第一項 遺言執行者がその任務を怠つたときその他正当な事由があるときは、利害関係人は、その解任を家庭裁判所に請求することができる。
第二項 遺言執行者は、正当な事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て、その任務を辞することができる。
 
第千二十条   【 委任の規定の準用 】
第六百五十四条及び第六百五十五条の規定は、遺言執行者の任務が終了した場合にこれを準用する。
 
第千二十一条   【 遺言執行の費用 】
遺言の執行に関する費用は、相続財産の負担とする。但し、これによつて遺留分を減ずることができない。
 
 第五節 遺言の取消
 
第千二十二条   【 遺言取消の方式 】
遺言者は、何時でも、遺言の方式に従つて、その遺言の全部又は一部を取り消すことができる。
 
第千二十三条   【 抵触する後の遺言又は処分による取消 】
第一項 前の遺言と後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を取り消したものとみなす。
第二項 前項の規定は、遺言と遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触する場合にこれを準用する。
 
第千二十四条   【 遺言書又は遺贈の目的物の破棄による取消 】
遺言者が故意に遺言書を破棄したときは、その破棄した部分については、遺言を取り消したものとみなす。遺言者が故意に遺贈の目的物を破棄したときも、同様である。
 
第千二十五条   【 取消された遺言の復活 】
前三条の規定によつて取り消された遺言は、その取消の行為が、取り消され、又は効力を生じなくなるに至つたときでも、その効力を回復しない。但し、その行為が詐欺又は強迫による場合は、この限りでない。
 
第千二十六条   【 遺言の取消権の放棄 】
遺言者は、その遺言の取消権を放棄することができない。
 
第千二十七条   【 負担付遺贈遺言の取消 】
負担附遺贈を受けた者がその負担した義務を履行しないときは、相続人は、相当の期間を定めてその履行を催告し、若し、その期間内に履行がないときは、遺言の取消を家庭裁判所に請求することができる。
 



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