第五章 疑わしい取引の届出
| 前の章へ  | 次の章へ  | 組織的犯罪処罰法  | 法律条文集  | Ultima_ratio  |




第五十四条   【 金融機関等による疑わしい取引の届出等 】
第一項 銀行その他の政令で定める金融機関及びその他政令で定める者(以下この条において「金融機関等」という。)は、政令で定める業務において収受した財産が犯罪収益等若しくは薬物犯罪収益等である疑いがあり、又は当該業務に係る取引の相手方が当該業務に関し第十条の罪若しくは麻薬特例法第六条の罪に当たる行為を行っている疑いがあると認められる場合においては、速やかに、政令で定めるところにより、政令で定める事項を主務大臣(主務大臣が金融再生委員会である場合にあっては金融監督庁長官とし、政令で定める金融機関等にあっては都道府県知事とする。)に届け出なければならない。
第二項 金融機関等(その役員及び使用人を含む。)は、前項の規定による届出を行おうとすること又は行ったことを当該届出に係る取引の相手方又はその者の関係者に漏らしてはならない。
第三項 都道府県知事は、第一項の届出を受けたときは、速やかに、当該届出に係る事項を主務大臣(主務大臣が金融再生委員会である場合にあっては、金融監督庁長官)に通知するものとする。
第四項 主務大臣は、第一項の届出又は前項の通知を受けたときは、主務大臣が金融再生委員会である場合を除き、速やかに、当該届出又は通知に係る事項を金融監督庁長官に通知するものとする。
 
第五十五条   【 郵政大臣による疑わしい取引の通知 】
郵政大臣は、郵便貯金の業務その他の政令で定める業務において収受した財産が犯罪収益等若しくは薬物犯罪収益等である疑いがあり、又は当該業務に係る取引の相手方が当該業務に関し第十条の罪若しくは麻薬特例法第六条の罪に当たる行為を行っている疑いがあると認められる場合においては、速やかに、政令で定める事項を金融監督庁長官に通知するものとする。
 
第五十六条   【 捜査機関等への情報提供等 】
第一項 金融監督庁長官は、前二条の規定により金融監督庁長官に届け出られ又は通知された事項、この章に規定する金融監督庁長官の職務に相当する職務を行う外国の機関から提供された情報及びこれらを整理し又は分析した結果(以下「疑わしい取引に関する情報」という。)が検察官、検察事務官若しくは司法警察職員又は税関職員若しくは証券取引等監視委員会の職員(以下この条において「検察官等」という。)による別表若しくは第二条第二項第二号イからニまでに掲げる罪、同項第三号に規定する罪、第九条第一項から第三項まで、第十条若しくは第十一条の罪、麻薬特例法第二条第二項各号に掲げる罪又は麻薬特例法第六条若しくは第七条の罪に係る刑事事件の捜査又は犯則事件の調査に資すると認めるときは、これを検察官等に提供するものとする。
第二項 検察官等は、前項に規定する罪に係る刑事事件の捜査又は犯則事件の調査のため必要があると認めるときは、金融監督庁長官に対し、疑わしい取引に関する情報の記録の閲覧若くは謄写又はその写しの送付を求めることができる。
 
第五十七条   【 外国の機関への情報提供 】
第一項 金融監督庁長官は、前条第一項に規定する外国の機関に対し、その職務(この章に規定する金融監督庁長官の職務に相当するものに限る。次項において同じ。)の遂行に資すると認める疑わしい取引に関する情報を提供することができる。
第二項 前項の規定による疑わしい取引に関する情報の提供については、当該疑わしい取引に関する情報が前条第一項に規定する外国の機関の職務の遂行以外に使用されず、かつ、次項の規定による同意がなければ外国の刑事事件の捜査(その対象たる犯罪事実が特定された後のものに限る。)又は審判(以下この条において「捜査等」という。)に使用されないよう適切な措置がとられなければならない。
第三項 金融監督庁長官は、外国からの要請があったときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、第一項の規定により提供した疑わしい取引に関する情報を当該要請に係る刑事事件の捜査等に使用することについて同意をすることができる。
第一号 当該要請に係る刑事事件の捜査等の対象とされている犯罪が政治犯罪であるとき、又は当該要請が政治犯罪について捜査等を行う目的で行われたものと認められるとき。
第二号 国際約束(第一項の規定による疑わしい取引に関する情報の提供に関する国際約束をいう。第五項において同じ。)に別段の定めがある場合を除き、当該要請に係る刑事事件の捜査等の対象とされている犯罪に係る行為が日本国内において行われたとした場合において、その行為が日本国の法令によれば罪に当たるものでないとき。
第三号 日本国が行う同種の要請に応ずる旨の要請国の保証がないとき。
第四項 金融監督庁長官は、前項の同意をする場合においては、あらかじめ、同項第一号及び第二号に該当しないことについて法務大臣の確認を、同項第三号に該当しないことについて外務大臣の確認を、それぞれ受けなければならない。
第五項 第一項の規定による疑わしい取引に関する情報の提供が、疑わしい取引に関する情報を使用することができる外国の刑事事件の捜査等(政治犯罪についての捜査等以外の捜査等に限る。)の範囲を定めた国際約束に基づいて行われたときは、その範囲内における当該疑わしい取引に関する情報の使用については、第三項の同意があるものとみなす。
 
第五十八条   【 関係行政機関の協力 】
関係行政機関は、この章の規定の実施について、相互に協力するものとする。
 



| 前の章へ  | 次の章へ  | 組織的犯罪処罰法  | 法律条文集  | Ultima_ratio  |