累代表記について

WF1、F1、F2、CB、HB・・・。この記号の意味を理解しないと、クワガタの売買・交換時にトラブルの原因になり得ます。クワ業界では表記の基準が統一されている訳ではありませんが、一般的な考え方をまとめておきます。


◆遺伝学的な“Fn”の意味とは・・・。

同一血統(遡ると同じペアに辿り着く)の♂♀を交配させることをインラインブリードと言います。このインラインブリードの第何世代目であるかを示しています。

Fn=Filial Generation n (n:世代数)

インラインブリードを繰り返すことによって、その血統の特徴を強調(固定)できるようになりますが、長所だけではなく短所だけを強調する可能性や、血が濃くなりすぎることによって奇形・小型化などの弊害が起こり得るのです。一般的にF4〜F5辺りまでなら大丈夫なようですが、定かではありません。

F1同士、F2同士のように、同一血統の同じ世代同士を交配した場合は、その子どもは親のFn+1となります。

親と子、祖父母と孫のように、同一血統の異なる世代で交配(戻し交配)した場合は、累代の進んでいる親のFn+1となります。

反対に、別血統(遡ると異なるペアに辿り着く)の♂♀を交配させることをアウトラインブリードと言います。この場合、どんなに累代が進んだものでもF1にリセットされます。つまり、アウトラインブリードを繰り返すということは、その子どもは常にF1ということになり、そのF1同士の子どもはインラインブリードとなりますからF2になるのです。インラインブリードとは逆に、新たな特徴が出現する、せっかく固定した特長が薄れる、健康的な血を取り戻すなどの効果が期待できます。


◆クワガタ的な考え方・・・。

WD(ワイルド=野生採集個体)が最も貴重であり、その価値を認めているクワ好きの人なら、“WDペアの子ども”と“累代が進んだアウトブリードの子ども”が、同じF1と表記されることに戸惑いを感じるのではないでしょうか?遺伝学的には正しいのですが、WDからの累代表記という考え方があっても良いと思うのです!

よって、WILDからの累代はFnと表記し、アウトラインを交配した場合はCBFn(下記参照)を表記すべきであり、誤解を生じさせないためには下記のような併記が望ましい思います!

Fn(CBFn)


◆一般的な表記基準

WD

◇野外採集した成虫

◇材割り採集成虫

WF1

◇WD♀の持ち腹幼虫(それが羽化した成虫)

F0

◇材割り採集した幼虫(それが羽化した成虫)

F1

◇WD×WD、WD×F0、F0×F0

F2

◇同一血統のF1×F1

CBF1

◇ブリード固体(累代は問わない)の別血統交配第1世代

(単純にF1と表記する事も多いが、個人的には必ずCBを付けて欲しい)

CB=Captive Breed(管理下繁殖)

CBF2

◇CBF1×CBF1

(単純にF2と表記する事も多いが、個人的には必ずCBを付けて欲しい)

HBF1

◇別種WD同士の交配第1世代

◇明らかに区別すべき産地のWD同士の交配第1世代

HB=Hybri Breed(交雑繁殖)

野生状態では交配の可能性が有得ない固体同士

HBF2

◇HBF1×HBF1